渾天儀
                   寒川神社 
 

                            うさお&Cacco


 Caccoの従弟のjunji君夫妻から寒川神社に行こうとお誘いがありました。そう言えば拝殿の前にある渾天儀をまだ、見ていないことに気が付きました。
 寒川神社は2012年にもお参りをしています。094 寒川神社

 2013年10月に、拝殿殿前に新しく飾られたのは方位盤と渾天儀で、八方除の払いの時に使う天体球儀です。以前に韓国ドラマを見ていたら、この渾天儀が出てきました。

 奴婢として生まれたチャン・ヨンシル(実在の人物)は、科学者だった父親ソンフィから天体学を教わります。青年になった後も、奴婢として色々差別にあいますが、気象の勉強はつづけていました。水時計や渾天儀を文献から見よう見まねで製作し、気象を予測する手立てとしました。その噂が広まり、時の王様に科学の才能を見出され、天文観測を行う書雲観の役職に付き、当時不正確だった正確な日食の時間を算出します。
 この当時、年度ごとの気象情報は明の国から朝鮮に下げ渡されるもので、独自に気象を研究することは明に対する反逆と見なされました。確かに気象情報を軍事的に使われていた時代もありました。

 さてそれほど貴重な渾天儀が寒川神社に飾られてあると知り、これは見ておかなくてはと考えた次第。

 まずは手水舎で身を清めてっと。柄杓を持ち、左手、右手、口、柄杓の柄を清めますが、杖を突いていると片手で行わなければならず結構しんどいものです。


手水舎 多くの参拝客がいる 2025年6月27日

手水舎 身を清めているjunji君 2025年6月27日

 玉砂利に足を取られ倒れそうなうさお。それを見捨てて彼らはどんどん拝殿に向かいます。


神門に向かう 2025年6月27日

 この狛犬さんも何か縁起があったように覚えていましたが、別にそんな説明版もありませんでした。狛犬さんの後ろに小さなお堂が建っていました。あれこんなもの、あったかなあ。
 これは神馬舎で「昭和天皇御在位50年を記念し作成されました。中には、神様の乗り物である白馬と白馬を守る猿の彫刻が納められています。彩色木彫家の平野冨山氏の作品です。鞍の彩色が見事で、迫力があります。」とパンフレットにありました。確かに猿は馬の世話をすると言われていますね。
 これに似たお堂を他でも見た記憶がありますが、どこでだったかな。鶴見の安養寺さんだっただろうか?


狛犬 右手側 奥に客殿が見えている 2025年6月27日

狛犬 左手側 角が生えている? 2025年6月27日

神馬舎 うっすら白馬が見える 2025年6月27日

神門 陰陽二つ巴紋が扉にある 2025年6月27日

 いよいよ待望の渾天儀です。拝殿に向かって右手に渾天儀がある筈です。ああ、確かに何か見える、見える。しかし、杖つく脚は中々近づくことが出来ません。倒れちゃいそうです。


拝殿 右手に渾天儀がある筈 2025年6月27日

 途中、神主さんと会えました。2013年の時にも会えました。ラッキーですね。


神門 今回も神主さんと会えた 2025年6月27日

 前回のお参りの時には拝殿の前には立ち木しかありませんでした。


渾天儀が無かった頃の拝殿前 樹木だけ 2012年5月5日

 まずは渾天儀の周りを少し見てみましょう。吊り灯篭にも天皇家の十六花弁の菊花がデザインされています。風格がありますねえ。


吊り灯篭 十六花弁の菊花紋 2025年6月27日

 
これです、渾天儀。


渾天儀 待望の一品 2025年6月27日

方位盤と渾天儀
 寒川神社は、古くより全国唯一の八方除の守護神として信仰されています。八方除とは、地相・家相・方位・日柄等から起因する、すなわち方位神によるあらゆる悪事災難を除く方災厄徐の神としての御神徳です。
 ここに、方位盤・四神の彫塑・渾天儀という八方除に因む三つの構造物の構成による記念碑を製作しました。方位盤は四正(東・西・南・北)と四隅(北東・東南・南西・西北)の八方位と中央の九星・十干干支を、八方には易の八卦を配当しています。一般的な気学方位盤とは異なり、八方位を均等に配置し正八角形の意匠でわかりやすく象られています。
 四神は天の四方を司る霊獣で、東は青龍、南は朱雀、西は白虎、北は玄武を配します。
 渾天儀は、本来天体の位置・星等を測定する器具ですが、特に星の運行は人々ばかりでなく国家の命運をもにぎると考えられました。天文観測により暦が作られ、さらに暦によって日々の吉凶が占われたのです。龍は天空を支えるという故事にならい、渾天儀の四隅に配置しています。
 寒川大明神を敬仰する氏子崇敬者の皆様には、この方位盤と渾天儀により方位除についてより深くご理解をいただき、八方除信仰の礎としてご活用下さいますよう祈念いたします。
 平成二十四年十月吉日
   寒川神社 宮司 利根康教 識



方位盤と渾天儀の由来 2025年6月27日

 milkyさんが特に熱心に方位盤と渾天儀を見ています。ご自身の趣味の仏像造りと相通じるところがあるのかも知れません。milkyさんから頂いた映像がこれ。


四神を撮るmilkyさん 2025年6月27日

四神像 milkyさんより 2025年6月27日

四神像 milkyさんより 2025年6月27日

四神像 milkyさんより 2025年6月27日

四神像 milkyさんより 2025年6月27日

 これを少しまとめてみるとこうなります。画像は歪みなどを若干修正しております。



渾天儀 junjiくんはこういう物体が良く映えます 2025年6月27日

 満足しましたねえ。古代中国から渡ってきたこういう文化は興味があります。これって天文学って幾何数学の世界ですよね。あまり得意じゃないけど。
 当日は六月とも思えない真夏の暑さで、早く涼しい所に行きたい。レストラン「紅葉」はお守りグッズのお店の二階にあります。ガラス張りの涼しいお店の中でここが自宅だったら良いのにと、つくづく思いましたよ。


拝殿 順番が逆になりましたが二拝二拍手一拝 2025年6月27日

神門 十六花弁の菊花紋 2025年6月27日

レストラン「紅葉」 涼しくて気持ちが良い 2025年6月27日

 自宅の神棚にこの小型の鳥居を買ってきました。何となくぴったり収まります。ついでに買った茅の輪くぐりのミニチュアも飾っておきましょう。


鳥居 2025年6月27日

茅の輪くぐり 2025年6月27日