住宅地の中で巣作りするシジュウカラ
ニシサン
窓際のぶどう棚の支柱に、ガーデンショップで購入したしゃれた巣箱を飾りとしてかけておいたら、あろうことかシジュウカラが巣作りを始めたようで、苔のようなものを巣箱に運び込んでいるのが確認できました。窓からは庭に始終出入りしているので、まさかこんなに人の近くに野生の鳥が巣作りをはじめるとは思っていませんでした。シジュウカラは人間の生活圏でも餌を求めて飛び回り、庭の植木などに頻繁に訪れるため身近に感じられる野鳥ですが、平塚市黒部丘の住宅地の中でこんなに近くに巣作りをしてくれて自然との共生を体感させてくれるとは、人を恐れないシジュウカラに感謝です。ひょっとしたらシジュウカラは、猫や蛇などから巣を守る番犬代わりとして人をみているのでしょうか?
窓際にかけた巣箱
巣箱から出ていくシジュウカラ
シジュウカラは、興味深い生態と行動を持つ鳥のようで、特に、シジュウカラの鳴き声が「言語」として機能していることが研究で明らかになり注目を集めています。動物言語学者の鈴木俊貴さんは、シジュウカラが意味を持つ鳴き声を使ってコミュニケーションを行っていることを発見され、例えば、「ヒヒヒ」はタカ、「ジャージャー」はヘビ、「ピーツピ」は警戒、「ヂヂヂヂ」は集まれという意味を持っていて、これらの鳴き声を組み合わせて文章を作ることもできると言っています。この発見は、人間が自然から学ぶべきことがまだたくさんあることを示しているようです。もしシジュウカラの言語を理解できるようになれば、シジュウカラとの新しい関係性を築くことができるかもしれません
。 シジュウカラの巣作りは以下の手順のようになるようです。
1.巣材の収集:シジュウカラはまず、コケや草、動物の毛などを集めて巣を作り始めます 。これらの材料は巣の基礎を形成し、卵を産むための柔らかい場所を提供します。
2.巣の構築:巣材を集めた後、シジュウカラはそれらを巣箱や木の穴に運び込み、巣を形作ります 。この過程は数日から数週間かかることがあります。
3.産卵:巣が完成すると、メスは1日に1個ずつ卵を産みます 。通常、シジュウカラは5~10個の卵を産みます。
4.抱卵:すべての卵が産まれると、メスは抱卵を始めます 。この期間は約2週間続きます。孵化と育雛:卵が孵化すると、親鳥はヒナに餌を与え始めます 。ヒナは約3週間で巣立ちます。

6月初旬旅行のため留守にしていたら、シジュウカラは巣立ったようでした。残念ながら、一羽の子供はうまく飛べなかったのか庭の池に落ちて死んでいるのが見つかりました。残念でした。
巣立った後の巣箱を開けてみたら、苔などできれいに巣作りされていました。
ところで、数年前庭のケヤキにかけた巣箱にシジュウカラが営巣しました。そこに雀のつがいが巣の乗っ取りにやって来ました。シジュウカラと雀の攻防は、特に巣箱を巡ってよく見られる現象のようです。シジュウカラが巣箱を使おうとすると、体力的に優る雀が巣箱を占領してしまうことが多いようです。雀に巣箱が占領されないように巣箱の出入り口の直径をシジュウカラ用に小さくして、雀が入れないようにする対策していたのですが、この巣箱の巣穴の大きさが少し大きすぎたようでした。
雀に比べ小柄なシジュウカラも乗っ取られないように必死の抵抗していました。数日間にわたり雀も必要に攻撃を仕掛けていました。まるで大国ロシアが小国ウクライナを攻めている戦争を見ているようです。自然界でも生き抜いていくのは大変な努力が必要なようです。
巣箱から頭を出しているシジュウカラ
巣箱の様子を偵察している雀
雀の攻撃をかわしているシジュウカラ
