五大監獄  2009年12月20日


 五大監獄と言うのをご存知でしょうか?明治五大監獄とも言われるようですが、山下啓次郎氏が設計をしたものを言います。
 千葉監獄(現千葉刑務所)、金沢監獄(現金沢美術工芸大学)、奈良監獄(現奈良少年刑務所)、長崎監獄(正門のみ)、鹿児島監獄(正門のみ)を言います。
 そのうち、金沢監獄は博物館明治村に正門・中央看守所・監房が移築されています。

 山下啓次郎氏は柳家金語楼の息子さんではありません。あのかたは敬二郎さんで年代も合いません。山下啓次郎氏は 慶応3年12月18日(1868年1月12日)生まれで、建築家です。東京帝国大学工科大学を卒業後、司法省に勤めたことから、五大監獄を設計することになります。なお、ジャズピアニストの山下洋輔氏は孫になります。

 実は奈良刑務所の保存活動を、建築学会の運営委員会の資料で知りました。保存活動は奈良地区では結構活発で、中世のお城のような煉瓦建物を保存する動きがありました。
 その時の資料で五大監獄を知り、最も近いのが千葉刑務所であり、これを見に行くことにしました。 特に2015年11月15日は、千葉刑務所の矯正展が行われており、普段は入れない刑務所内を見ることが出来ます。
 また、千葉刑務所は革製品の出来が、他の刑務所より抜きん出て優れており、これを買うべきだと巷の噂が高いので、期待をして行きました。

 以前に、明治村に行ったと気には、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルに気を取られていたので、そんな思い入れもなく、金沢監獄跡を見ていました。これもカウントすると、千葉刑務所で2大監獄を制覇したことになります。
 ちなみに、奈良刑務所は放射状に延びた、獄舎も残されているようなので、これは無くなる前にぜひ見に行きたいのですが、遠いなあ。来年の建築学会も九州だし、切っ掛けがないなあ。


千葉刑務所 明治村の金沢監獄の門跡 2009年12月20日

千葉刑務所 明治村の金沢監獄の門跡 (2015年11月15日)

 さて、この日はあいにくの雨、千葉監獄(刑務所)の位置を車のナビにいれて出発しましたが、刑務所の裏口のフェンスに着いたよ。フェンスの向こうに交通誘導員が居ましたが、入れてくれません。大回りしていらっしゃいとのこと、ええ〜。200台ある駐車場が埋まっちゃうかも知れない。大急ぎ、大急ぎ。
 正門に行くと何やら行列の人の波が出来ていました。caccoだけ降ろして、駐車場に向かいます。良かった、車は何とか停められた。
 正門に戻ると、列の中からcaccoが手を振っている。ここに入れと言うことらしい。周りの人の目が、少し顰蹙を買っているようだが、入れて貰っちゃいました。私たちの前の人も、同じように横入りで、なんと4〜5人も這入ったんだって。


千葉刑務所 雨なのに多くの人が来ていた (2015年11月15日)

千葉刑務所 お目当ての千葉監獄の門 (2015年11月15日)

千葉刑務所 両脇の塔が素晴らしい (2015年11月15日)

 お蔭様で、刑務所内見学の整理券は手に入れることは出来ました。申請書に住所、氏名、年齢等しっかり書かされたのは言うまでもありません。


千葉刑務所 入門証ゲット (2015年11月15日)

 おお正門のレトロ感は素晴らしいこと、どうやって撮ったら良いんだろう。全景を入れると小さいし、部分だと判らないし、こういう時に、スマホのパノラマ機能は便利でいいなあ。
 管理棟の煉瓦建物も情緒があって素晴らしいなあ。
 5大監獄は微妙なレイアウトの差はあるものの、基本的な建物の配置や建物の構成は同じようだ。


千葉刑務所 中から門の裏側を見る (2015年11月15日)

千葉刑務所 門の表側の明り取り窓 (2015年11月15日)

千葉刑務所 門のアーチ部の模様 (2015年11月15日)

千葉刑務所 両脇の塔の中から (2015年11月15日)

 矯正展に出展された販売品を見て回ります。


千葉刑務所 奥のテントが販売所 家具なども売っている (2015年11月15日)

千葉刑務所 販売所は盛況 (2015年11月15日)

千葉刑務所 買ったポーチ (2015年11月15日)

千葉刑務所 有名な出来の良い靴 (2015年11月15日)

 中に入れる時間が来ました。あらかじめ書いておいた入門証を渡します。カメラは持ち込めません。短い距離ですが、バスに乗せられました。5つの工場を見せて頂けるようです。
 縫製、製紙印刷、革製品等々で、工場の機械は大型のものが多いのと、治具類も沢山ありました。よくドラマでは、これらの治具を持ち帰って、凶器にして脱獄するシーンがありますが、これらが意外に普通に置いてあるのには吃驚しました。
 この工場間は歩いて移動するのですが、囚人たちに食事の時間にぶつかり、足止めをされた時があります。建物の外を数人の囚人が歩いていきます。何だか、隔離されているのはこちらのような気がしてきます。
 各工場には、トイレと食事、休息室が設置されています。千葉刑務所は長い刑期の囚人が多いと聞きましたが、この工場なども自然と馴染んで我が家のように思えるのでしょうか。

 ゆるキャラ君も催しに来ていました。「KEN」ちゃんです。(誰だろう)


千葉刑務所 KENちゃんって何者 法務省だから検察 (2015年11月15日)

千葉刑務所 スマホのパノラマ撮り (2015年11月15日)

千葉刑務所 事務所棟の全体を入れるのは難しい (2015年11月15日)

千葉刑務所 建物の前面 (2015年11月15日)

千葉刑務所 事務所棟全面 (2015年11月15日)

千葉刑務所 女の子の足ではなく、縁の下の穴、脱獄できそうだ (2015年11月15日)

千葉刑務所 流石刑務所らしい (2015年11月15日)

まあ、とりあえず記念写真をパチリ。収監房の模型があるということでしたので、行ってみました。人気が高いところで、人が沢山います。こんな感じにしか撮影できませんでした。


千葉刑務所 ここが監獄の部屋 (2015年11月15日)

千葉刑務所 全てがコンパクトに (2015年11月15日)

千葉刑務所 4畳半一間だけどプライバシーは衝立で確保されている (2015年11月15日)

千葉刑務所 一週間のお献立 (2015年11月15日)

千葉刑務所 牢屋は放射状に存在していたようだ (2015年11月15日)

 地域の方が物産を売っていましたが、お昼過ぎるともう、好いものは売り切れておりました。


千葉刑務所 門の前の臨時のお店 (2015年11月15日)

千葉刑務所 門の前の臨時のお店 (2015年11月15日)